外国人が不思議だと思う日本語とは?曖昧さの中にやどる日本人の心は?

日本語特有

私たちが当たり前のように使っている日本語ですが、その何気ない一言が、外国人にとって「不思議だな」と感じていることをご存じでしょうか。

例えば、はっきり意味を説明しにくいことばや、状況によって意味が変わる表現です。

日本人にとっては便利で心地よいものでも、他の文化圏の人から見ると「どういうこと?」と戸惑うことも少なくありません。

そこには、日本特有の「思いやり」や「察する文化」が深く関わっています。

外国人が思わず首をかしげてしまうような、日本語を通してことばの奥にある、日本人の感覚をひも解いていきますので最後までご覧ください。

本記事のポイント

  • よろしくお願いします。
  • いただきます・ごちそうさま。
  • もったいない。
  • 空気をよむ。
  • 大丈夫です。

よろしくお願いします。

外国人が不思議だと思う日本語

よろしくお願いします。

意味がとても広く、ひと言で説明しきれない日本語の代表格のことばです。

あいさつ・お願い・締めのことばなどの場面ごとにニュアンスが変わります。

様々な場面について深堀してみましょう。

あいさつとして

□あいさつとしては、初対面や関係の始まりで使われるこの一言は、これから良い関係を築きたいという未来への意思が込められています。

□例えば自己紹介の最後に添える場合、単なる形式ではなく「まだ関係はできていないけど心地よい関係にしていきたい」という余白のある宣言です。

□英語の「Nice to mieet you]に近いようでいて、より継続的な関係性を前提としている点が特徴になります。

お願いとして

□お願いする時の「よろしくお願いします」の場合は、この言葉は相手に委ねるニュアンスを帯びます。

□例えば「これやってください」と言い切るのではなく「あなたの力を借りたい・お任せします」という柔らかな信頼を含んでいることばです。

締めのことばとして

□締めのことばとしては、メールや会話の終わりに使われる場合は「これからのやりとりを円滑に終えたい」という意図が含まれます。

□例えばビジネスメールの最後に添えるとき、それは単なる結びではなく「ここまでの内容を踏まえて良い形で進めていきましょう」というかんけいの継続を示すサインです。

□相手に何かを任せた後であれば「引き続き気にかけています」という控えめな意思表示にもなります。

*こうしてみると「よろしくお願いします」は単なる便利なことばではありません。

  • 関係の始まりを柔らかく包みこむ。
  • 依頼を角が立たない形で伝える。
  • やり取りを穏やかに締めくくる

*まとめると人と人の間をなめらかにつなぐ潤滑油のような存在です。はっきり言いきらず余白を残し、信頼や配慮が込められています。

*「よろしくお願いします」ということばには日本人が大切にしてきた関係性の美学が静かに息づいているのです。

いただきます・ごちそうさま

外国人が不思議だと思う日本語

いただきます・ごちそうさま

食事の前後に自然とでることばです。単なるあいさつではなく、命や一重の感謝が込められています。

いただきます

□意味として「いただく」ということばには「上にあげて受け取る」という謙譲のニュアンスがあります。

□ただ「食べます」という宣言ではなく「命をありがたく頂戴します」という深い感謝と敬意の表現なのです。

□ここでいう「命」とは、食材となった動植物だけではありません。食材を育てた人運んだ人・調理した人など食事に関わるすべてのp存在への感謝が「いただきます」の一言に凝縮されています。

ごちそうさま

□ごちそうさまの「ごちそう(御馳走)」ということばは、もともと走り回る意味の「馳走」から生まれました。

□かつては食材を集めるために人々が奔走し、もてなしの準備をしていたことから、その苦労や心配りに対するねぎらいの気持ちが「ごちそうさま」に込められるようになりました。

  • おいしかったです。
  • ここまで準備してくれてありがとうございます。

*つまり上記のことばが労いの表現でもあるのです。

もったいない

外国人が不思議だと思う日本語

もったいないということばは、日本語の中でもとりわけ説明が難しく、そして美しい感覚を宿した表現です。

□一言でいえば「無駄にするのは惜しい」ですが、すれだけでは到底言いつくせない広がりを持っています。

もったいないの本来の意味

□もともと「勿体(もったい)」とはあるべき姿や本来の価値を意味することばでした。

□「もったい」に「ない」がつくことで、本来の価値が発揮されていない状態という意味が生まれます。

□このことばは、単に“捨てるのは惜しい”のではなく「そのものが持っている価値に対して、十分に向き合えていない」という感覚なのです。

物だけではない「もったいない」

□興味深いのは物に限らないことです。

□例えば

  • 食べ物を残す⇒もったいない
  • 時間を無駄にする⇒もったいない
  • 才能を活かせてない⇒もったいない

□上記のように「目に見えない価値」にも自然に使われています。

謙虚さとしてのもったいない

□日本人は人から褒められたときに「もったいない」と返すことがあります。

□これは「自分にはそんな価値はありません」という意味ではなく「自分には過分なことばです」というへりくだりと感謝の表現です。

□価値というものを軽々しく扱わず日本的な感覚が表れています。

空気を読む

外国人が不思議だと思う日本語

空気を読むということばは、日本文化を象徴する表現のひとつです。

□直訳すれば「空気を読む」もちろん空気がみえるわけではありません。しかし日本では、この目に見えない空気が人間関係の中でとても意味をもっています。

「空気」とは何なのか

□ここで言う空気とは、その場に流れる雰囲気や感情、ことばになっていない意図のことです。

□例えば

  • 誰かが不機嫌そうにしている。
  • 会議で誰も反対意見を言わない。
  • その場が静まり返っている。

□上記のように日本では、ことばの外側から状況を察することが、求められる場面が少なくありません。

□つまり空気を読むとは、相手の気持ちや場の流れを言葉に頼らず感じとることなのです。

日本ではなぜ「空気」を重視するのか

□日本の社会では古くから、「和」を大切にする価値観が根づいてきました。

  • 集団の調和を保つこと。
  • 対立を避けること。
  • 相手を不快にさせないこと。

□そのため、思ったことすべてことばにするよりも、察することが美徳として育まれてきたのです。

沈黙もまたメッセージになる

沈黙つまり「話さないこと」にも意味が生まれる点です。

□例えば

  • あえて強く否定しない。
  • 返事を濁す。
  • 静かにうなずくだけにする。

□こうした沈黙や間の中にも、日本人は多くの感情を読みとります。

□日本語のコミュニケーションは、「何を言ったか」だけではなく「どう言わなかったか」まで含めて成り立っているのです。

外国人が戸惑う理由

□多くの文化では「ことばにしないことは伝えていないこと」と受け取られます。

□日本では逆に「言わなくても分かるはず」という感覚が存在しているのです。

□外国人から見ると「なぜ誰もはっきり言わないの?・本音がわからない」と感じられることがあります。

  • 空気を読むは目に見えないものを大切にする文化から根付いた表現です。
  • はっきりことばにしない代わりに、相手の表情や気配を受け取ろうとする姿勢です。                           *見えない物を感じ取り、関係を整えていくことが、日本語らしい繊細さが宿っています。

大丈夫です。

外国人が不思議だと思う日本語

大丈夫ですは肯定にも否定にもなる不思議なことばです。

□文脈によって意味がかわるため、混乱しやすい表現になります。

本来の大丈夫ですとは

□「大丈夫」ということばは、もともとの意味は次のようになります。

  • しっかりしていて危なげがない。
  • 問題ない。

上記の意味をもっています。つまり下記のような表現です。

  • 安心してください。
  • 平気です。

断りのことばとして使うのは?

□なぜ断りのことばとして使われているのか次の例で考えてみましょう。

例えばお店の店員に言われたとき。

店員
店員

袋をおつけしますか?

                    ・自然と大丈夫のことばがでできます。

お客様
お客様

いえ、大丈夫です。

□上記のような会話で「大丈夫です」と答える人が多いのではないでしょうか。

□しかしこの場合の意味は「問題ありません」の意味ではなく「必要ありません」の意味です。

*次に否定しないために使うときどうでしょう。

相手を否定しないために使う

□日本語では、相手の提案や親切を真っ向から拒絶しないことが重視される場面があります。

□そのため「大丈夫です」は、相手の好意を受け止めつつ、やんわりと断るための便利な表現として使われています。

□「大丈夫です」は単なるYES/NOではなく人間関係をなめらかにするためのクッションでもあるのです。

文脈によって意味が変わる不思議なことば

□同じ「大丈夫です」でも状況によって意味はまったく変わります。

□例えば

*医師との会話

医師
医師

体調は大丈夫ですか?

患者
患者

はい平気です。(大丈夫です)

*食堂での会話

店員
店員

ご飯のおかわりいかがですか?

お客様
お客様

もう結構です。(大丈夫です)

道での会話

ビジネスマン
ビジネスマン

手伝いましょうか?

主婦
主婦

大丈夫です。自分でできます。

□上記のように日本語はことばそのものよりも、場面や空気が意味を決めることがあります。だからこそ、日本語を学ぶ外国人にとっては、非常に難しい表現なのです。

便利すぎることばの奥には、はっきりと言いきらないことが成り立つコミュニケーションが「大丈夫です」なのかも知れません。

まとめ

日本語にはすべてはっきり説明しない文化があり、その曖昧なことばの中には相手を思いやるためのやさしさが息づいています。

  • 外国人が戸惑うのは、単語の意味ではありません。日本人独持の感覚や距離感なのです。
  • 何気なく使っている一言にも、長い歴史や価値観が込められています。
  • ことばは、ただ情報を伝えるためだけのものではなく、人と人との間にある気持ちをつなぐものでもあります。
  • 外国人が不思議と感じる日本語の中には日本人らしい思いやりや繊細さが映し出されているのです。

日本語は難しいとつくづく思いました。

是非参考になれば幸いです。

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