「もってのほか」って何?どんなときに使う?語源・使い方注意点!

「もってのほか」って何? 日本語特有

日々の会話の中には、思わず感情がこぼれる瞬間がありませんか?

「それはちょっと、もってのほかだよ!」という言葉もそのひとつです。

もってのほか」という言葉は驚きや戸惑い、そして相手への思いやりが混ざった日本語特有の表現と言えるでしょう。

ここでは、この言葉の背景や文化的な重みとニュアンスを探っていきたいとおもいます。

本記事のポイント

  • もってのほかの語源。
  • 何故強い否定のことばになったのか。
  • 気をつけたい場面。

もってのほかの語源

もってのほか

語源の流れ

①古語で「以て(もって)」

*「~をもって」=「~によって」「~を理由として」という意味。

*物事の基準・手段を示す語。

②古語で「外(ほか)」

*範囲の外、想定の外。

*しばしば「思いもよらない場所・事柄」を示す。

③「以ての外(もってのほか)」が形成。

*平安時代以降の文献によると「思いもよらぬこと」「予想外であること」を指す言い方として使われ始めていました。

④現代では「非常識・許されない」へと定着していて、「想定外に悪い」など「常識の外すぎて受け入れられない」ニュアンスが強まりという意味で、定着しています。

何故強い否定のことばになったのか

「もってのほか

「もってのほか」は怒りなどの感情から、強い否定のことばとしてとらえられているのではないでしょうか。

下記の様なことから人に対して使われるようになりました。

想定外から許されないへの変化

*もともと「もってのほか(似ての外)」は「基準をもって考えてもその外にある」という意味でした。

*そこに善悪の判断はなく、ただ予期しなかったことへの驚きがあっただけのことです。

*自然災害、偶然の出来事、思いがけない展開などの「想定外」は責める対象を持たないため、感情としては「驚きや戸惑い」にとどまっていました。

*想定外が人の行為に向けられたときこのことばの転機は「人の振舞や態度、選択」に使われるようになったのです。

*人の行為には暗黙の了解で「礼儀・常識・信頼・配慮」があります。それらは守られているはずのものとして共有されているのです。

*想定外は単なる驚きでは終わらなくなります。

そんなことすると思わなかった」という失望が生まれてくるからです。

価値判断の表現

価値観は人によって違います。

*失望は基準が裏切られた状態です。

*つまりそこにはすでに判断の軸が存在しています。

・それはしてはいけない。

・そこを越えてはいけない。

・それは守られるべきだった。

上記のような瞬間想定外だったという事実は許容できないという評価へと変わります。

もってのほか」は感情の変化を受け止めることばでした。

使うときに気をつけたい場面

「もってのほか」のことば

ビジネスシーンでの注意点

*目上の相手、取引先には原則使ってはいけません。何故ならば、「もってのほか」は強い価値判断を含む否定表現になるからです。

例:✖「そのような対応はもってのほかです。」

例:〇言い換え

「その対応は適切とは言えません。」

「当社としては受け入れかねます。」

「誠に遺憾ではございますが….。」

*社内でも注意が必要な場面があります。

特に部下や後輩に対して使うと人格否定のように受け取られる可能性があるのです。

例:✖「そんなやり方ではもってのほかだ。」

例:〇言い換え「この点、当社の方針として認められていません。」

*あくまでも価値観を示すことばとして使うのが望ましいです。

感情が高ぶっているときには特に注意しなければなりません。

日常会話での距離感

*日常会話において「もってのほか」は決して軽い否定ではありません。

*言われた瞬間相手の方は本気で怒られている、人として否定されていると感じてしまいます。

特に親しい友人・家族などは、ことばの強さがそのまま心に届いてしまうので注意しなければいけません。

例:✖「そんなことするなんてもってのほかだよ」と冗談には聞こえないため空気が止まってしまいます。

例:〇「人として約束破るのはもってのほかだと思う」

   「常識として、それはもってのほかだよね」

*一般論として語る場合相手を直接断罪するのではなく、価値観を共有する形になるのです。

*「もってのほか」は冗談やツッコミには不向きなことばで、関西弁のように{ありえへん!」「それはないわ~」などとは違い笑いの余白がありません。

笑いを含ませた場面では下記のような言い換えが安全です。

例:〇「それはさすがにないって(笑)」

例:〇「ちょっとやりすぎじゃない?」

*但し上下関係がある場合は生意気、無礼と受け取られる可能性があるので注意が必要です。

まとめ

「もってのほか」は日常会話では使われるべきものではありません。

このことばを使うという選択は、相手との距離を一段と引き離すことを意味します。

伝えたいことが「怒りなのか・注意なのか・価値観の共有なのか」それを見極めたうえで、別のことばを選ぶこともまた、成熟した会話になるのではないでしょうか。

日本語特有のことばは、日本人でも難しく感じます。

参考になれば幸いです。

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